表現について考えるレクチャー・ワークショップ。講座としては、いよいよ最終回となりました。今回は5人の養護学校の先生たちが参加しました。第3回のミッションは3つでした。
1)宿題としてお願いしていた、「作品の魅力を伝えるテキスト」を共有する
2)2月4日(土)〜12日(日)の展覧会にむけて、趣旨、タイトルを考える
3) 展示方法を考える
まずはそれぞれの参加のみなさんに、書いてきたテキストを読んでいただきました。
卒業した生徒さんがプレゼントしてくれた作品をもとに描いていた様子を思い出しながら書いたもの。
休み時間に描いている作品の、心のなかをそのままに描く作品に楽しませてもらっているようすが伝わってくるもの。
同じく休憩時間の「落書き」かもしれないけれども、「楽がき」と思えるほど、魅力のあるホワイトボードに描かれる作品と本人の様子。
作品を見ただけではわからない、本人の絵や対象物に対する神聖な気持ちが伝わるもの、、、などなど。先生たちが教育者であり、同時にその人の生活や様子を日々みている観察者からわかる書けるテキストを準備してくれていました。
その後、参加者に共通した展覧会のタイトルを考えるために、テキストの感想の意見を伝え合いながら、議論をふかめていきました。
そこででてきたのは、社会性を身につけたり、学ぶということがもっとも大事な学校時代だからみんなと同じ決められたことをする美術の時間と、休憩時間などにみられる自由なアートの時間。そのどちらも大切な時間であり、経験だろうということでした。
たとえば、ピンクの花を描こうといっても、なかには脱線しいろいろな色で描いてしまうことがある。その時間はその生徒にとってもとても楽しい時間で、それを見ることができた先生にとっても嬉しいということ。
でも最初から自由にといわれても、みんながみんな自由に描けるわけではなく、何かきっかけとしての決まりことも必要。また、重度の障害のある人にとっては、見通しをつけていくためにも、決まった工程をつくっておくのが大切だということ。
そんな、アートのA面B面のはざまのようななかで、養護学校の先生たちが感じている、日々の驚きや発見などを作品とともに伝えることが、とても意味があるのではないかという意見になりました。タイトルを決めるのはもう少しかかりそうなので、来週以降やりとりしながら決めていくことに。
2月4日(土)〜12日(日)「奈良県障害者芸術祭 HAPPY SPOT NARA」の一角で展示します。先生たちが感じる現場の空気感伝わる、そんな展覧会になるのではないでしょうか。
ぜひ、楽しみにお越しください。