レポート:第2回「表現について考えるレクチャー・ワークショップ」

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2016年12月17日(土)、「表現について考えるレクチャー・ワークショップ」第2回が開催されましたので、レポートを掲載します。

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「表現について考えるレクチャー・ワークショップ」報告

「表現について考えるレクチャー・ワークショップ」を開催しました。2回目となる今回は、8人が参加。講師は鯵坂兼光さんに加え、たんぽぽの家アートセンターHANAの吉永朋希がつとめました。

はじめに、事務局の森下より、このレクチャーを開催する前提となっている、「障害者の芸術活動支援モデル事業」について説明、現在、障害のある人のアート活動へのサポートについて行政の支援について紹介、また奈良を含めた全国10カ所で同様の取り組みがされていることを紹介しました。

アートセンターHANAのアートディレクターの吉永からは、たんぽぽの家のメンバーの多様な表現を紹介。絵画のような一般的にイメージされる作品の創作だけではなく、薬の殻を集める行為のようなその人のこだわり、好きなことの追求そのものを表現として捉えたり、パフォーマンスや参加型の展示の事例などを紹介し、とらえる側の意識によっても表現は多様であることを共有しました。

また、2016年度に奈良県主催で開催された「奈良県障害者芸術祭HAPPY SPOT NARA」での企画「特等席から見る風景」を紹介。福祉施設ではたらくスタッフが日々の関係のなかで見つけたメンバーの行為や表現をどのように作品として展示したかやスタッフによる作品紹介のテキストを紹介しました。

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いわゆる「創作」にとどまらない、多様な表現の事例が紹介されました

参加したみなさんからは、「個人名は必ず出すのか、出さないのか」「行為の場合にはプライバシーにかかわることがあるのではないか」などの質問がありましたが、吉永からは「個人情報には配慮する」「なによりもメンバーとスタッフの信頼関係があってこそ成立する」ことを伝えました。また、著作権があることを前提にしつつも、その人の表現をだしていくことが社会につながる一歩であることを伝えました。

参加者たちからは、絵画やイラストに加え、商品として取り組んだ者、ホワイトボードに書かれては消されてしまう表現など、まさに多様な表現が、実際のものや写真で紹介されました。

・自分の世界観を描き続けるエネルギーがすごいと思う、その姿をみているのが楽しい。
・調子が悪いと泣き顔や、性器がでてくる。食べ物が大好きで、それを描いているときは機嫌がいいとき。
・いい紙に描かせたいが、紙質にこだわりがあり、広告の裏のようなものを選んでしまう。
・図工の時間ではなく休憩の時間や、ちょっとひまを持て余した時間などに描きたいみたい。
・障害が重度なので、紙を切ったり貼ったりして表現ができるように。それぞれの表現を組み合わせて作品をつくっている。
・家で飾ってもらえるように、たとえば門松にするなど季節感を大切にしている。
・一つのぬいぐるみが好きで、何年もその絵を描きつづけ、もう100枚をこえる絵がある。

などなど、作品をみながら「気に入った作品」について語るとき、話はつきず、今回は養護学校の先生が参加者のほとんどですが、それぞれの先生が本当に生徒の表現や作品が好きなことを実感しました。また、生徒に表現を楽しんでもらうための工夫がたくさんあり、そうしたノウハウこそ貴重なので、そのノウハウや先生の想いもふくめて展示したらいいのではないかと話しあいました。

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生徒の表現を活き活きと紹介する、参加者のみなさん

(レポート:森下静香)

次回は1月14日(土)開催。
いよいよ、「展覧会」をイメージしながら、タイトルや紹介文、展示の方法についても考えます。
*本シリーズの最終発表として、2017年2月4日(土)~2月12日(日)に開催する「奈良県障害者芸術祭HAPPY SPOT NARA」とともに、展覧会を実施します。

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