
「Art for Well-beingプロジェクト」は、病気や事故、加齢や障害の重度化など、心身がどのような状態に変化したとしても、創作や表現など文化芸術活動を生涯にわたって可能にする社会づくりをめざしています。

本プロジェクトでは今年度、障害福祉の現場と〈技術者〉 が協働し、新たな表現活動の実践事例をつくりだすための公募・伴走支援プログラムを実施しました。

これまでの実践から生まれた可能性や課題、具体的なプロセスや成果について共有し、表現・ケア・テクノロジーについて考え、みなさんのこれからの活動につなげる報告会を開催します。
ご参加をお待ちしております!

報告会に参加されたみなさまへ、小冊子『つくるための技術論[草稿]』を進呈いたします。著者は、Art for Well-beingプロジェクトの全体監修を務め、『テクノロジーって何だろう?——〈未完了相〉で出会い直すための手引き』の著者でもある小林茂さんです。
[小林茂さんからのメッセージ]
この冊子はArt for Well-beingのような豊かだけれど伝わりにくい取り組みを分析するための道具箱のようなものです。そのため、個別の事例紹介は含まれていませんが、取り組みを自分たちで展開していくための手引きになるかもしれません。
冊子の中では、「閉じた道具・開いた道具」や「社会的ランドスケープの変容」といった、本プロジェクトにおいても鍵となる重要な概念が綴られています。ぜひこの機会にお手元に一冊お持ちください。
■催名
Art for Well-being 2025年度報告会
表現・ケア・テクノロジーとわたしたちのこれから
■日時
2026年3月1日(日)
14:00~17:30(13:30 受付開始)
■会場
京都経済センター 3階 3-F
(〒600-8491 京都府京都市下京区函谷鉾町78番地)
https://kyoto-kc.jp/access
■タイムテーブル・登壇者 ※プロフィール詳細は下記
第一部(14:00~15:40)
①伴走型実践プログラム(東京)実践報告
●宇都宮 幹(Little by Little 主宰/デザイナー)
●小泉 雄一(サポートハウス ココロネ板橋 生活介護 サービス管理責任者)
●根上 陽子(キュレーター、アート・メディエイター、Living Together Co.代表)
●アドバイザー:筧 康明(インタラクティブメディア研究者/アーティスト、東京大学大学院 教授)
②伴走型実践プログラム(愛知)実践報告
●野口 桃江(アーティスト)
●上田 一稔(NPO法人幸せつむぎ 理事長)
●岩垂 理紗(NPO法人幸せつむぎ art&consider事業部責任者)
●居石 有未(ディレクター)
●アドバイザー:緒方 壽人(デザインエンジニア、Takramディレクター)
③ハッカソンプログラム(大阪・滋賀)実践報告
●森山 慶一(ブレイクスくール主宰、NPO法人BRAH=art. 利用者)
●井ノ口 藍(NPO法人 BRAH=art. 支援員、アーティスト)
第二部(16:10~17:30)
④重症心身障害児 × 音色生成AI (Neutone) による新たな〈音・楽〉の可能性
●木村 基(四天王寺和らぎ苑 リハビリテーション室 主任、作業療法士)
●松原 康二(大阪府立藤井寺支援学校 教諭、和らぎ苑訪問学級 主任)
●胡 澤(プロトタイピスト)
●進行:小林 茂(情報科学芸術大学院大学[IAMAS] 教授)
■定員
70名
■参加費
一般: 1,000円
学生: 無料
障害のある人(と介助者1名まで): 無料
■情報保障
文字通訳をご希望の場合は、文字が見えやすい席にご案内します。
■主催・協力
主催:文化庁、一般財団法人たんぽぽの家
【申込方法①】
チケットサイト Peatix から事前に参加費をお支払いいただきお申込みください。
お申込み・チケット事前購入[外部サイト:Peatix]
【申込方法②】
学生、障害のある人(と介助者1名まで)、または当日お支払いをご希望の人は、Googleフォームからお申込みください。
Google フォームから申し込む

宇都宮 幹
Little by Little 主宰/デザイナー
1979年生まれ、広島県呉市の港町出身。デザインを手段として、対話を手がかりに、形や仕組みを立ち上げてきた。近年は福祉や児童と関わる場にも携わり、ユニバーサルデザインのワークショップや、車いす陸上選手の競技用グローブ開発などの実践を行っている。成果や完成形だけでなく、その過程で生まれる関係の変化にも目を向けながら、人の感情や成長に関心を持ち、言葉にならない感覚を手がかりに、ときに立ち止まりながら、試みや表現を通して深く関わりを探っている。

小泉 雄一
サポートハウス ココロネ板橋
生活介護 サービス管理責任者
大阪出身。大学卒業後、企業で営業職として勤務。4年半のキャリアを経て、自分がやりたいことは何かを考えるようになり退職。その後、「音楽が好き」という理由だけで路上やライブハウスで活動を行うも、福祉との出会いをきっかけに「福祉の道で生きていく」ことを決意。2010年に平成医療福祉グループに入職。2020年、ココロネ板橋の立ち上げに伴い上京。現在は、同施設にて生活介護事業の施設運営に携わる。グループ理念である「じぶんを 生きるを みんなのものに」を念頭に、利用者一人ひとりの個性を重視し、その人に合った支援をおこなう中で、今後はケアの現場における音楽や表現の可能性について広げていきたいと考えている。

根上 陽子
キュレーター、アート・メディエイター
Living Together Co.代表
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。 在学中にロンドンの Wimbledon School of Art に留学。2021 年に Living Together Co.を設立し、アート&サイエンス等の異分野、国際間の協働事業・文化プロジェクトマネジメント、アーティストエージェンシー、インドネシアのアートコレクティブ GUDSKULと協働した教育プログラム開発やインクルーシブ企画等、キュレーション&コンサルテーションを行っている。オーストラリアのパフォーマンスアーティストSTELARCエージェントも務める。

(アドバイザー)
筧 康明
インタラクティブメディア研究者
アーティスト、東京大学大学院 教授
1979年京都生まれ。博士(学際情報学)。2007年に東京大学大学院にて博士号を取得。慶應義塾大学、MITメディアラボ等での活動を経て、現在は東京大学大学院情報学環教授。物理素材の特性や質感、現象を起点に、フィジカルインタフェース研究、メディアアート作品の制作、インタラクションデザインに取り組む。その成果は、CHI、UIST等の国際会議、Ars Electronica、文化庁メディア芸術祭、瀬戸内国際芸術祭等のアートフェスティバルや展覧会など、分野を超えて発表され、受賞も多数。主な共著に『触楽入門』(朝日出版社、2016年)、『デジタルファブリケーションとメディア』(コロナ社、2024年)。

野口 桃江
アーティスト
インスタレーション、作曲、演奏をとおして、心拍や呼吸などの生体情報を取り入れた作品や、自然のなかに楽器を設置し、即興演奏という営みをひらくプロジェクトを行う。作品はこれまで国内外のコンサートや芸術祭で紹介されてきた。2019年、自宅でひらいていた音楽教室に、一人の障がいのあるお子さんが訪ねてきてくれたことをきっかけに、音を通したコミュニケーションの探求を始める。以来、さまざまな年齢、国籍の人たちと共に音楽をすることをライフワークとしている。桐朋学園大学音楽学部作曲理論学科卒業。デン・ハーグ王立芸術アカデミー ArtScience 科修士課程修了。共著に『演劇と音楽の創作ワークショップ』がある。

上田 一稔
特定非営利活動法人幸せつむぎ 理事長
中部大学大学院国際人間学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得満期退学。特定非営利活動法人および社会福祉法人にて、障害福祉分野に従事し、児童指導員、生活支援員、サービス管理責任者等として勤務。2015年から現法人にて従事し、2025年理事長に就任。社会的活動として、桜花学園大学教育保育学部非常勤講師。愛知県長久手市地域福祉計画地域福祉活動計画策定委員等。専門は障害福祉、障害児保育、社会的養護。日本重症心身障害学会、日本発達心理学会等に所属。

岩垂 理紗
特定非営利活動法人幸せつむぎ art&consider事業部責任者
愛知学泉大学家政学部卒業。公立中学校教諭(家庭科)として4年間勤務。2019年から現法人にて従事。児童指導員、児童発達支援管理責任者として勤務しながら、こどもたちとアート活動を開始。2023年に法人内でart&consider事業部を立ち上げ、アート作品の制作、重症心身障害児および医療的ケア児の衣服制作、個展開催に尽力中。日本アートミーツケア学会所属。機能訓練を用いた作品作りに取り組み、新しいアート活動に挑戦中!

居石 有未
ディレクター
1992年 名古屋市生まれ。名古屋造形大学・大学院 日本画 修了。大学職員を経て、クリエイティブコミュニティ FabCafe Nagoya にてプロデューサー/ディレクターとして、企業とクリエイティブをつなぐプロジェクトの企画・運営などに従事。その傍ら、名古屋・岐阜にて、地域や公共を舞台にした芸術企画に携わる。現在は SLOW ART CENTER NAGOYA(合同会社コマンドA) にて、芸術の社会における新たな価値を提案するとともに、フリーのディレクターとしても活動する。好きな食べ物はいちご。

(アドバイザー)
緒方 壽人
デザインエンジニア、Takramディレクター
デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスまで幅広く領域横断的な活動を行うデザインエンジニア。東京大学工学部卒業後、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)、LEADING EDGE DESIGNを経て、ディレクターとしてTakramに参加。主なプロジェクトとして、「HAKUTO」 月面探査ローバーの意匠コンセプト立案とスタイリングなど。著書『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』。

森山 慶一
ブレイクスくール 主宰
NPO法人BRAH=art. 利用者
2009年 野洲養護学校 卒業
2013年 龍谷大学 理工学部 情報メディア学科 卒業
2017年 学びの場「ブレイクスくール」始動
現在は、ICT・科学実験・プログラミングを取り入れた体験型学習の場づくりを行うとともに、子どもたちが仕入れ・価格設定・接客などを体験する「こども駄菓子屋ブレイく」を実施。教科学習と実践的な学びを取り組んでいる。

井ノ口 藍
NPO法人 BRAH=art. 支援員
アーティスト
京都精華大学 美術学部卒業。京都保育福祉専門学院卒業。保育士経験を経て、2020年 BRAH=art.が運営するcafe&gallery spoonsで個展開催をきっかけに「障がいがあろうとなかろうと好きなこと・得意なことを仕事にして精一杯生きる」をモットーに活動しているBRAH=art.のスタッフとなる。2023年よりBRAH=art.利用者である森山が主催する子どもの学習支援事業、ブレイクスくールのサポートを担当する。アーティストとしての活動も模索しながら日々、障がい福祉に従事している。

木村 基
四天王寺和らぎ苑 リハビリテーション室 主任、作業療法士
京都芸術大学芸術学部卒。四天王寺和らぎ苑 作業療法士・紙噛みクラブ代表。2006年作業療法士で勤務した施設で重症心身障がい児・者の方と表現活動を始める。2017年から東大阪市で障がいのある子どもと御家族の表現活動の場を運営。現在は大東市、奈良市、大阪市でも表現活動のワークショップを定期的に行なっている。2023年から現職場。職場では重症心身障害児・者の自らの動きのみで描く表現活動や発する音を採取し、組み合わせて音楽を作る活動に取り組んでいる。一本の線から広がる世界をモットーに描くとは何かを探究している。

松原 康二
大阪府立藤井寺支援学校 教諭
和らぎ苑訪問学級 主任
天理大学文学部宗教学科卒。1990年天理教校親里高等学校(天理教校学園高等学校)に社会科教諭として勤務。1996年和太鼓部を創設し、奈良県内の養護学校(知的障がい、盲、聾)や障害者施設等と和太鼓交流会や訪問演奏を実施。障害のある子どもたちへの教育に興味を持ち、2015年3月退職、4月より大阪府立西浦支援学校(知的障がい校)勤務。知的障がい、肢体不自由、病弱教育の教員免許を取得。2022年4月、大阪府立藤井寺支援学校(肢体不自由校)勤務、小学部3年生を担当。2023年4月、藤井寺支援学校和らぎ苑訪問学級勤務。2025年4月、訪問学級主任。

胡 澤 (Taku Ko / Ze Hu)
プロトタイピスト
中国・上海出身。香港城市大学クリエイティブメディア学部を卒業後、多摩美術大学大学院サウンド&メディア芸術研究を修了。2024年に株式会社Neutoneでインターンを開始し、モデル訓練やサウンドデザイン、プロトタイピングなどに従事。AIが人間の表現の自由を拡張する未来を目指し、AIを用いた開発活動を行う。現在はNeutoneの技術を搭載したハードウェアプロジェクトを通じて、AI音楽と人間をつなぐ適切なインターフェースの仕様を模索している。

(進行)
小林 茂
情報科学芸術大学院大学[IAMAS] 教授
オープンソースハードウェアやデジタルファブリケーションを活用し、多様なスキル、視点、経験を持つ人々が協働でイノベーションに挑戦するための手法や、その過程で生まれる知的財産を扱うのに適切なルールを探求。著書に『テクノロジーって何だろう?——〈未完了相〉で出会い直すための手引き』『Prototyping Lab第2版』『アイデアスケッチ』、監訳書に『Design Meets Disability(デザインと障害が出会うとき)』など。岐阜県大垣市において2010年より隔年で開催しているメイカームーブメントの祭典「Ogaki Mini Maker Faire」では2014年より2024年まで総合ディレクターを担当。