昨年度、都合によりやむなく中止とした「ニュートラ・ワークショップ」ですが、7月17日(月・祝)に改めて開催することにいたしました。ご参加をお待ちしております。
photo: 加藤晋平
土と人との関係を、学ぶ。
昔から土はいつも身近にあり、生活の道具や仕事に使われ、今にいたります。私たちは、障害のある人たちとものづくりを考えるなかで、自分たちの地域にある素材から新しい可能性を探るプロジェクトCLAY WORKSをはじめました。今回のワークショップでは、多治見市美濃焼ミュージアムのご協力のもと、日本最大の窯業地である、美濃地域の原土をおもにつかって、砕いて、ふるって、擦って、細かくして、顔料染めを行います。約500万年ほど前に美濃地域に存在した湖の底に堆積した土で布を染める今回のワークショップ。美濃地域の中でも採掘場所によって土の色が異なることを知り、粉にした原土が加水によって粘土へ、さらに加水して泥へと、土の質感が変化し焼き物にも染物にも使えることを体感することを目的としています。ごつごつとした石のような乾いた土を粉砕し、さらさらの粉に、そして焼き物の材料となる粘り気のある粘土に、最後はどろどろの染めの原料にと、自分の手のなかでさまざまに変化する土の表情をどうぞお楽しみください。みなさんのご来場をお待ちしております!
▼会場:多治見市美濃焼ミュージアム 研修室(岐阜県多治見市東町1-9-27)
▼日時:2023年7月17日(月・祝)2回開催(各回2時間) 1回目・10:00〜12:00/ 2回目・14:00〜16:00
▼募集人数:各回10組 ※先着順 お申込み方法(フォームはこちら)
*フォームもしくはお問合せ先に必要事項を記入してお申し込みください。受付後事務局から連絡をします。お申し込み後1週間連絡がない場合は、お手数ですが下記お問合先までご連絡ください。
▼募集対象:土に関心のある人ならどなたでも(障害の有無、年齢、国籍など問いません)
*小学校低学年以下のお子様が参加される場合は、保護者の付き添いが必要です
*障害等の理由により参加にあたってサポートが必要な場合は、サポートする方と一緒に参加してください。
▼参加費:2,000円(材料費)
*別途入場料が必要となります。大人 320円、大学生 210円。高校生以下、障害者手帳の交付を受けている方とその付添いの方1名は無料
愛知県知多半島の美浜町で行われた、陶土染め体験の様子。Photo: 加藤晋平
巨大絵本「やきものの土で染めてみよう―土ができるまで-」
いま足元にある土がどうやって生まれたのか。巨大絵本をつかって、地球と土と人の関係について学びます。日本最大の窯業地、美濃地域の土の成り立ちについても分かりやすく解説!
創作ワークショップ「美濃地方の土をあじわい、オリジナルの陶土バッグをつくろう!」
陶土(顔料)染体験:美濃地方を中心とした、選りすぐりの原土から、お好きな土を選び、それを砕いて、ふるって、擦って細かくして、水を加え、滑らかな泥をつくり、布に染め、陶土バックをつくります。
ファシリテーター:高橋孝治
デザイナー。(株)良品計画の企画デザイン室に勤務した後、2015年に愛知県知多半島に移住し、中世から窯業が続く常滑にスタジオを構える。人や環境を中心におき、地域の方々の生業や活動に伴走する。4児の父。 2016-2018年常滑市陶業陶芸振興事業推進コーディネーター。 2017-2019年六古窯日本遺産活用協議会クリエイティブ・ディレクター。
ご参考)実際のワークショップの様子(乳鉢で土を挽いたり、布地を染めたりなど)については、以前行った平城京の土をつかったワークショップ記録をご覧ください。
https://note.com/newtraditional/n/n6b1fd6b4f52a
以前はハンカチに染めましたが、今回ワークショップでは、高橋孝治デザイン事務所(takahashikoji.com)が手掛けたマチつきのあずま袋・陶土バッグに染めます。黄、グレーなど多色の土から、お気に入りの土をつかって自分で染めたオリジナルバッグをお持ち帰りいただき、愛用していただけるとうれしいです!
本ワークショップ準備のために出かけた事前スタディツアーの様子①:鉱山見学。陶芸用の土の製造、販売を手掛けるカネ利陶料(https://kaneritouryou.com/)の岩島利幸さんの案内で、湖の底にたまった1000万年から500万年前の土に触れる。photo: Hidenao Kawai
本ワークショップ準備のために出かけた事前スタディツアーの様子②:鉱山見学後、カネ利陶料さんのアトリエを見学。今回のワークショップに使用する原土をご提供いただけることに。
photo: Hidenao Kawai
本ワークショップ準備のために出かけた事前スタディツアーの様子③:人間国宝・荒川豊蔵がつくった電気やガスを使わない昔ながらの焼き物づくりを続ける水月窯(https://suigetugama-4.jimdosite.com/)さんを見学。設立以来かわらない、敷地内で採れた土で焼き物用の粘土を手作りしている過程を教えてもらう。今回ワークショップでは水月窯さんの敷地でとれた原土も使用予定。photo: Hidenao Kawai
本ワークショップ準備のために出かけた事前スタディツアーの様子④:水月窯の水野繁樹さんから登り窯や穴窯の仕組みを説明いただいているところ。photo: Hidenao Kawai
CLAY WORKS 土と人との関係を、ものづくりや地域の文化とともに学ぶプロジェクトです。障害のある人たちと伝統工芸との協働をとおしてあたらしい仕事を作る「NEW TRADAITIONAL」プロジェクトの一環として取り組んでいます。2020年に愛知県常滑市の障害のある人たちとともに試行錯誤をしながら生まれたCLAY WORKS。その後、各地で展開しています。 https://newtraditional.jp/
◎お問合せ先
一般財団法人たんぽぽの家
〒630-8044 奈良市六条西3-25-4
Tel 0742-43-7055 Fax 0742-49-5501
E-mail nt@popo.or.jp
主催:文化庁、一般財団法人たんぽぽの家
協力:多治見市美濃焼ミュージアム、水月窯、カネ利陶料有限会社
本イベントは、文化厅委託事業 「令和5年度障害者等による文化芸術活動推進事業」の一環で実施します。